プリミティヴィスム

プリミティヴィズム / Primitivism

原始主義


概要


プリミティヴィスムとは直訳すれば原始主義で、原始的なものに対する関心、趣味、その研究、影響などを意味する。ヨーロッパ圏外の文化、芸術、いわゆる異文化に対するヨーロッパ人の関心は、15世紀末のコロンブスのアメリカ発見に始まる大航海時代に芽生え、近代では19世紀後半のジャポニズムが欧米を席巻した。

ジャポニズムが絵画をはじめ、美術のほとんどあらゆる分野に多大な影響を与え、西洋美術の「近代化」に大きく貢献したことは人の知るとおりである。ジャポニズムは20世紀に入っても、たとえば書や禅の文化が一部のアーティストに影響を及ぼすなど、なお命脈を保っているが、しかし20世紀美術最大のキーワードのひとつはプリミティヴィスムであった。

ヨーロッパ的な伝統とはまったく無縁の、とりわけ自然の模倣、再現というこだわりのまったくないアフリカやオセアニアの原始美術は、初期のピカソ、ブラック、フォーヴ時代のマチス、ドラン、ヴラマンテ、ドイツ表現主義そのほかに多大な影響を与えた。

そこに潜む造形的、美的な斬新さ、独創性、意外性を発見し、その影響を自らの作品に生かして前衛芸術にさらなずはずみをつけたのが先に挙げた画家たちであった。プリミティヴィスムとは、農民芸術、素朴芸術、児童芸術、精神病者の芸術なども対象としている。