ロシア構成主義

ロシア構成主義 / Constructivism

生活と一体した芸術を目指す


エル・リシツキー「Beat the Whites with the Red Wedge」(1920年)
エル・リシツキー「Beat the Whites with the Red Wedge」(1920年)

概要


ロシア・アヴァンギャルドを二分しているのがシュープレマティスムとロシア構成主義である。ともに第一次世界大戦が始まる頃に台頭したが、多くの点でライバル関係、対立関係にあった。

 

ロシア構成主義はシュープレマティスムより合理主義的、現実的、論理的で、芸術の「純粋さ」よりも実社会、実生活につながる芸術を志向した。


「生活と一体化した芸術」をモットーとするロシア構成主義には、アール・ヌーヴォーの精神を受け継いでいる部分もあるが、ロシア構成主義は1917年のロシア革命とも連動している。


ロシア構成主義の代表はエル・リシツキーで「構成主義は数学と芸術、芸術作品と科学技術的発明との境界が消えつつあることを明らかにしている」と表明している。


芸術のための芸術ではなく、社会的な芸術、つまり社会にとって有用かつ必要な芸術を提唱し、そのために工業生産による鉄やガラスのような素材を積極的に使用しながら、テクノロジーと芸術の「コラボ」を実現した構成主義は、革命後の理想社会の建設を目指す当時の革命政府の路線にもよく適ったものであった。

1920年代に入ると、抽象芸術を西欧のブルジョワ社会の堕落的現象のひとつと指弾して、健康な「社会主義リアリズム」を志向するソヴィエト政府の方向の転換もあり、当初のロシア構成主義はヨーロッパ構成主義へと発展的解消と遂げた。

アレクサンドル・ロドチェンコ「Books (The Advertisement Poster for the Lengiz Publishing House) 」(1924)
アレクサンドル・ロドチェンコ「Books (The Advertisement Poster for the Lengiz Publishing House) 」(1924)
アレクサンドル・ロドチェンコ「空間に吊るされた構成」(1921年)
アレクサンドル・ロドチェンコ「空間に吊るされた構成」(1921年)

あわせて読みたい