黒色すみれインタビュー2「履歴を作る」

●当初は、寺山修司や江戸川乱歩の世界観とコンセプトがあったみたいですが?

ゆか:前の事務所に「今までどんな本を読んできたの?君の詩の世界はどこからきているの?」と聞かれて、幾つか読んでいた本を挙げた中に澁澤龍彦とか江戸川乱歩が入っていたというだけで。」

 

●では、最初からけっこう耽美とかゴシックというイメージがあったのですか?
ゆか「いや、そればかりではなかったのですが、そのあたりをパッと取られたかんじです。そのほうが分かりやすかったからでしょうか。実は私、寺山修司は全然読んだことがなくて、天井桟敷のビデオを見たという位。日本歌曲の詩を寺山修司が書いているので、そこで知ったぐらいで・・・・・・ 実はあまり詳しくないので、寺山ファンの人から質問されると困ったものです。」


●曲作りをするときにゴスロリやアングラ的な部分を意識はしていますか?
ゆか「うーん、実は最初は特にないのですよ。それまで遊びでやっていて、自分たちの好きな曲を勝手にカバーしてやってたので、「ぜんまい少女箱人形」が出たあとに方向性に困っちゃって・・・・・・ 「ぜんまい少女箱人形」に収録されている「サーカスの馬」以外は他人の曲なんです。だから、2ndアルバムの「アンデルメルヘン歌曲集」を出すときや、その後の活動でオリジナルを作るときにどうしようと思って・・・・・・ また、自分たちのセールスポイントを把握する必要がある時期になっていて、それできちんと信念をもってやらないといけなくなって・・・・・・ 「なぜ、これはこうなのか」とか。たとえば、オカッパで双子なのはなぜかとかを後付けで考え始めました。」


●オカッパで双子の意味は?

ゆか「実は何の意味もないのだけど(笑)。ただ、なんとなくやっていただけ。たとえば、さっちゃんは十年以上同じ髪型なんだけど、その理由は「ただ好きだから」としか説明ができない。さっちゃんは、前髪が割れるのが嫌なんだけど、その理由は「嫌だから嫌だ」っていうしかなくて・・・・・・ それの説明ができないのと同じなんだけど。でも、それだと理由にならないから、色んなことに対する理由付け、特にほかのセクションの人、たとえば洋服作る人とか、違う業界の人と仕事するときに、コンセプトがすごく必要になってくるのですよね。言葉にしないと相手が分からないときがあって、いちいち考えたんだよね。なぜオカッパか? なぜ双子か? オカッパの設定は、私たちの設定が13~14歳という設定があるので、子どもから大人への至るときの曖昧な部分を表現したいなという。完璧な大人でもない、子どもでもない、微妙な時間というか。」


●最初からゴスロリを意識はしてないのですね

さち「14歳ということを意識してやっていたわけではないのですけどね。二人とも、子どもっぽくしたいからとか、ロリータっぽくしたいとか、意識して洋服を選んでいるわけではなくて、ただ、そういう可愛い服が好きだから着ているのだけれど・・・・・・。世間のロリータの観念っていうのがよく分からないです。だってゴスロリの格好って、全然知らないおじさんから見れば、アキバのメイド喫茶のメイドと決め付けられちゃうと思うんだけど。自分たちがそうではないと思っても、ちょっとヒラヒラが付いてるだけでアキバっていわれちゃうから。だからそのあたりが本当によく分からないから、今となっては曲に関しても、自分たちが好きなものをやってるとしか言えないですね。やっぱり見た目なのかな・・・・・・」


ゆか「たとえば、私たちの姿が見えない状態で、視聴だけで私たちのことを知った人は、ロリータとは思わない。ただ、戸川純さんやZELDAとか知っている人なら、戸川純さんやZELDAのイメージをそのまま私たちに重ね合わせるってことはあるかもしれない。」

 

●結果として、ゴスロリの枠に入っちゃったのですね。あと言われたように実際、Kate Bushや戸川純やZELDAをイメージしてますか?
ゆか「いや、私、全然戸川純さんのことを知らなくて(笑)ホッピー神山さんに聞いて、初めて知ったので。Kate Bushも戸川純さんもZELDAも実は、すみれを始めてから全部知ったので。まあ、聞いてみたら好きになったのですけど、だから特に意識はしてないです。」
(出典元:世界のサブカルチャー)