猫画家 ルイス・ウェイン

ルイス・ウェイン / Louis Wain

統合失調症になった猫画家


概要


ルイス・ウェイン(1860年8月5日-1939年7月4日)はイギリスのイラストレーター。


大きな目の擬人化した猫や子猫のイラストで知られる。晩年に統合失調症に苦しみ、猫の絵も対応してサイケデリック調で幾何学的な形態に変容していった。


概要


ルイス・ウェインは、20世紀初頭のロンドンで、絵葉書の絵を専門に描いて、女性や子どものあいだに人気を博していた通俗画家だった。


ルイス・ウェインは、57歳のときに突如として、分裂病の徴候をあらわし始めた。外部の世界が敵意をもって、自分に襲い掛かってくる妄想に悩まされ、彼はひたすら自分の内面に閉じこもるようになった。


と同時に、彼が得意としていた可愛らしい猫の絵も、だんだん不気味な変化を示すようになった。ウェインは、晩年の15年間を精神病院で送ったが、最後まで鉛筆を捨てず、憑かれたように猫の絵ばかり描き続けた。


ルイス・ウェインは、23歳のときに妹の家庭教師であったエミリー・リチャードソンと結婚したが、エミリーはガンに冒され結婚の3年後に死去してしまった。エミリーはピーターという飼い猫をかわいがっていた。この猫が「私の画家としての創造の源であり、後の仕事を決定づけた」そうである。


ルイス・ウェインの作品は人気の高さにも関わらず、ウェインは常に金銭に困っていたようだ。母と妹たちの生活費を稼ぎ出さなくてはならず熱心に働いていたものの、経済的な感覚に乏しいことが仇となった。気性は穏やかでだまされやすく、作品を安く買いたたかれ、権利関係は取引相手に任せっきりで割の悪い契約を押し付けられることもあった。


それと歩を合わせるようにして精神的にも不安定さが増していった。次第に現実とファンタジーの見分けがつかなくなっていった。話し振りも舌がもつれて何を言っているのか理解できないことが増えていた。そして妹の一人と同じように精神病を発病してしまう。


初期のリアルな猫が、やがて幾何学的に様式化され、虹のような華麗な色彩とともに、抽象化の一途をたどる。最後には、リアリズムはまったく影をひそめ、極端に装飾化された、細密なデザインが空間をびっしりと埋め尽くそうとする。シンメトリイと空間恐怖の傾向がはっきりと現れる。


精神病院に入る以前も、ウェインの生活はもっぱら隠遁的で、未婚の3人の姉妹と、17匹の猫に取り巻かれて暮らしていたという。その態度や物腰には、古風な神経質な貴族といった観があった。なお3人の姉妹らは、皆、未婚のまま共に生活し生涯を終えた