第4回 香梅アートアワード 真珠子 坂本夏子

●人形遊びが私の原点
副島:子供の頃は、どんなことをして遊ぶのが好きだったんですか?


真珠子:お人形遊びですね。小学校の入学祝いに“リカちゃん人形”を買ってもらってから、とても夢中になりました。当時は、「こんなに楽しい遊びを、どうして大人になったら、みんなやめてしまうんだろう」と、疑問に思っていて、お友だちと「一生、お人形遊びをしよう」と誓い合いました。


副島:そして、何年生くらいまでお人形で遊んでいたんですか?


真珠子:小学校6年生までなんですが、小学校2年生から、お芝居が好きになりました。自分で脚本書いて、演出して、お友だちにセリフを言ってもらうんです。考えてみれば、これもお人形遊びの延長みたいなものですね。そして、今も、お人形遊びをしているような気持ちを求めて制作しています。


副島:絵を描くことも小さい頃から好きだったんですか?


真珠子:やっぱりアニメとかマンガは好きでしたね。恋とか、大人とかにすごく憧れていました。でも、絵を描く、というより表現することが好きだったように思います。


●“絵かきになろう”とまっしぐらだった20代
副島:いつ頃から、美術をやっていこうと考えるようになったんですか?

 

真珠子:高校時代、一番仲良しのお友だちが想いを寄せていた先輩が「美術部」だったんです。だから、一緒に美術部に入ったんですけど、そこでハマってしまいました。指導してくださったのが、現在も作家活動も続けている森内和久先生で、ものの見方など、かなり影響を受けました。そして、卒業後、大阪へ出てからは“絵かきになろう”とまっしぐらで。


副島:他に影響を受けた作家とかいらっしゃいますか?


真珠子:作家なら、バルテュス。ゆっくりと時間をかけて対象に取り組んでいるところが好きです。それから、竹久夢二の描く女性には影響を受けました。あと、寺山修司の美しい文章にも。


●パートナーの存在も創作のエネルギー

副島:真珠子さんの活動には、ご主人の存在も欠かせないと思うのですが。

 

真珠子:何でも相談できる大切な存在です。夫はカメラマンの増田賢一です。たまたま友達に誘われて作品展を見に行ったのが出会いです。夫は、女性の内面までを追求するような写真を撮っていて、一瞬にして惹かれました。そして、二回目のデートのとき、一生の付き合いになるって言われたんです。

 

副島:今後の抱負などを聞かせてください。

 

真珠子:この度、お菓子の香梅さまよりこのような素敵な賞をいただけて、本当に運命を感じています。というのも、私は、作品作りの一環として、最近ずっと、お菓子に大注目していたのです。このご縁は、大事にしていきたいと思っております。これから先も日々精進して参ります。私を見つけてくださって、どうもありがとうございました。

●専門家になりたくて美術の道へ
副島:美術を専門的に学ぼうと決意したきっかけは何ですか?


坂本:高校受験で、普通科ではなく専門課程に進むことを決めて、英語科と商業科と美術科を受験することにしました。とにかく何かの専門家というものになりたいと思っていました。それで、最初に受けた推薦入試で美術科高校に通うことを決めたことから、今に至ります。母が美術を好きだったので、家には画集がたくさんあったし、小さい頃から展覧会にもよく出かけていました。


副島:そして、高校進学してからは、迷わず美術の道を歩いてこられたんですか?


坂本:テクニック以外のことでいえば、絵は、描けば描くほど上達するものではない気がします。なので、今、目の前にあることに集中してやっているだけです。やり続けていると、常に新しい課題、問題がみつかるので、それに向き合っていく・・。その繰り返しでやってきました。


副島:これまでで一番達成感を感じたのは、どんなときですか?


坂本:大学3年生の時、自分の身長よりも高い150号の作品に取り組みました。この作品が完成したときは、とても達成感を感じました。

 

副島:どれくらいのペースで作品に取り組んでいらっしゃるんですか。

 

坂本:一枚の絵を完成させるのに、半年~1年かけています。10分~12時間と日によって時間はバラバラですが、毎日描くことが大切だと思っています。

 

●今、興味があるのは自分自身
副島:好きな作家、影響を受けた人などを教えてください。


坂本:好きな作家はたくさんいますが、今、興味があるのは私自身にでしょうか。これからたぶん、すごい絵を描くんじゃないかな、と思うから、本やマンガもいろいろ読みます。小説よりも、化学やビジネスなど、専門書が好きです。最近読んだ本ではん、大栗博司署の「重力とは何か」という本がとても面白かったです。マンガでは“しりあがり寿”なども好きです。

 

副島:坂本さんの最近の作品は“ゆらぐ”イメージが特徴ですよね。

 

坂本:“ゆらぐ”イメージは、描くプロセスに理由があります。私は下描きをせずに描くのですが、例えばタイルで埋め尽くされた部屋を描こうとするとき、タイルを一枚ずつ完成させながら描いています。一枚描いて、隣り合うタイルを一枚描く…といった感じに。部分を繋げて描きながら考えたり、絵に促されながら空間を造っていくので、結果的に歪みが生じます。大学3年生の頃から、このように描くようになりました。

 

●大切なのは毎日進むこと
副島:今後の抱負などありますか?

 

坂本:自分のアトリエだけでなく、色んな場所で制作してみたい。面白い絵を描いていきたいです。次の作品については、一枚の画を完成させてからしか考えないようにしていますが、とにかく止まらずに、作品を1点ずつ完成させていきます。