デ・ステイル「オランダ前衛美術」

デ・ステイル / De Stijl

オランダ前衛美術


ピエト・モンドリアン「黄・赤・青と黒のコンポジション」(1921年)
ピエト・モンドリアン「黄・赤・青と黒のコンポジション」(1921年)

概要


17世紀のレンブラント、フェルメール以後、オランダ美術は長らく鳴かず飛ばずであったが、久々にその存在感を発揮したのが「デ・ステイル」である。

 

第一次世界大戦中の1917年に画家のテオ・ファン・ドースブルフとピート・モンドリアンを中心として始まったこの運動は、ほかの前衛芸術運動と同じく過去の芸術を否定、破壊し、その廃墟からの新しい芸術の創造を目的とした。

 

ドースブルフ、また彼の同志のモンドリアンが生み出した「様式」とは、直角に交わる垂直と水平の線によるグリッドと赤、青、黄の3原色と白、灰、黒で構成される徹底した抽象様式であった。

 

彼らの「様式」の根底にあるのは、個人的な表現に閉塞した芸術ではなく、幅広く共有される客観的で普遍的な表現様式である。自然現象や目に見える世界は変化し、とどまることを知らないが、真のリアリティー(真実)は不変である、という信念であった。

 

世界の表面をおおう苔ともカビともいうべきものを取り除き、その下に潜む秩序ある世界、調和とバランスに満ちた世界を最小限の、かつ一見最も単純な手段によって視覚化したのがデ・ステイルの抽象様式だった。

 

モンドリアンとドースブルフの関係は、モンドリアンの厳しく緻密な理論をドースブルフが解説して、世に広めるというかたちをとった。しかしドースブルフは1924年こらか画面の中に対角線をいれ「エレメンタリズム」を始める。モンドリアンはこれに反して1925年にデ・ステイルを脱退した。

 

<関連リンク>

ピート・モンドリアン

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