124.キャロル・ラーマ

第二次世界大戦中から活躍していた知られざるアンダーグラウンド界の女王「Carol Rama」。卑猥で下品な少女絵は、凝り固まった清楚で可憐な女性像を破壊し、男性中心社会に抵抗しようとするフェミニスト系アーティストの先駆者でもある。

 

Carol Ramaは、60年以上も昔から、21世紀初頭の現在になってようやく世間の足下をぐらつかせる大きなうねりになりつつあるウーマンパワーを、自らの作品と生き方によって体現してきた鬼ババア系アンダーグラウンドアーティストだ。

 

 「小便小僧は、白昼堂々おチンポを露出し放尿することが認められているのに、小便少女がおマンコを見せては何がいけないのか!」

 

そこで、Carol Ramaは脱糞をはじめ、ハイヒールをはいたままの足を高く上げおマンコを指で開いてせびらかしたり、頭には陰毛のような小さな花束が生やした卑猥な少女を描く。

 

Carol Ramaは、1918年にトリノに生まれた。父は自動車や自転車の小さな製造会社を経営していたが、その会社は模範従業員が独立してFIAT社を創設したのを機に倒産。また12才のとき、精神に変調をきたし入院した母親のお見舞いで訪れた精神病院で見た患者たちの光景に衝撃を受ける。

 

絵を描き始めたのは15才ごろで頼るのは乙女心のみ。母の口紅や爪みがきをはじめ、ありとあらゆる身近なモノの中から直感で選んだ道具を、絵筆に代えて描きまくったとか。

 

そのかたわらで、地元トリノで一番人気のあった画家Felice Casaroのアトリエにも通っていた。しかしこれは、後年のMAC(イタリア具体派)への参加や、マン・レイやウォーホルやライザ・ミネリ、ルチアーノ・ベリオ、カルロ・モリノなどの数々の著名人との交流から見え隠れする、移り気でミーハーでアイドルに弱い乙女心に過ぎなかったのではないかと思われる。

 

表面的に見れば著しく卑猥な光景と思うかもしれないが、柔らかい水彩の画面からはさすが女性で、微風のようにこぼれる優しさに満ちている。命よりペニスが大事な小便小僧の石膏像とはことなり、バラバラに切り刻まれた肉体のそれぞれまでもが自分勝手なグロかわいさをふりまく21世紀小便少女たち。その不屈の春のめざめがそこにあった。 

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