花蟲インタビュー「2012年以降の活動」

元々、花蟲って一人だったのですか?


(えぬ)そうです。2001年くらいからネットで自分の個人サイトを作って、趣味でたまにイラストとか映像とかをちょこちょこ公開してるくらいでした。その頃からだと今年で12年目になります。

お二人の出会ったきっかけは?


(ゆうり)元々中学生(13歳)の頃に、ネットでたまたまオススメされていた花蟲の作品を見つけて以来のファンでした。当時、フルアニメーション(javascript)で動いているウェブサイトはそんなに多く無かったので感動しました。一方的に知っていたのですが声も掛けられないままで、後々ミクシィで知り合いになり、2001年にデザインフェスタに出展していた時に初めて実際に会いました。それから間もなく交際を始めて、2012年に入籍しました。

花蟲のユニットを解消されたって本当ですか?


(えぬ)最近まで花蟲は、えぬ&ゆうりのユニットでしたが、解消しました。やってることは、いままでとあんまり変わりません。どっちが花蟲さんですか?花さんですか?蟲さんですか?というようなことや、どっちが絵を描いてどっちが動かしているんですか?というようなことをよく質問されました。実際は、えぬが作品を作って、ゆうりが活動展開をプロデュースするという役割です。


(ゆうり)ホワイトレインコートマンの絵コンテを作ったのは私ですが、描いた絵をアニメーションにするのは、全部えぬがしています。私はグッズの企画や営業、イベントスケジュールの管理をしています。彼は賞をとったりとかテレビに出したりとかしてるんですけど、全然表に出ないので…。

作風の影響はどこからですか?


(えぬ)色々ありますが、一番影響を受けたのはチェコの映像作家、ヤン・シュヴァンクマイエルです。アニメといえばアニメなんですけど、チェコは昔から人形劇が盛んで、彼の作品はクレイアニメとか人形アニメみたいな、絵というよりは実写のコマ撮り映像です。作風としてはシュールでナンセンスな世界で、独特な感じです。

彼の作品を知ったきっかけは?


(えぬ)中学生当時、新聞のテレビ番組欄に『アリス』と書いてあったのを見つけました。てっきりディズニーのアニメだと思ってました。深夜の放送だったので予約録画しておいて翌日に見てみると、とんでもないシュールな作品に衝撃を受けました。『不思議の国のアリス』をモチーフにしたコマ撮り長編アニメでした。当時はまだインターネットがまだない頃ですしDVDもなかった時代なので、たまたまそんなのが撮れていても、その人について調べようがなかったんです。それから何年間も、この作品はビデオが擦り切れるくらい何度も見ました。大学時代にインターネットも普及し、調べて作者名も判明したので、日本で出ている短編集やDVDや作品集を購入して熱中しました。ちょうどその頃にパソコンでデジタル画を描くようになって、時期が被っていたのでシュールな世界観にすごく影響を受けました。大学生ではなく中学生の多感な時期にあの作品に出会えたのは大きかったですね。

最近、凄い営業力ですね


(ゆうり)去年と今年の前半は凄く駆けまわりました。いろんなところを突撃して、本当にぶっ倒れるまでやりました。紙面のポートフォリオやiPadをで映像を見せたり。あとは根性です。どれだけボロカスに言われても負けないです。やっと、営業に行かなくても向こうからお声をかけて頂ける事が多くなってきたので、頑張った甲斐があったと思います。そんな営業以外にも、あるお店でお客さんとして行ったのですが、そのときに帽子に花蟲の缶バッチを付けていたら、たまたまテレビ局の方に興味を持ってもらえて仕事が始まったこともあります。


(えぬ)そういう偶然の出会いをチャンスに変えるみたいな営業力も持ち合わせていますね。僕は作品は作れるけど、シャイなので無理です。クリエイターにはこういうタイプの人結構多いと思いますよ。リアルな交流は得意じゃなくて、ずっとネットだけで発表していましたから。

アートの道を志す人にメッセージを


(えぬ)僕は個人的には、30歳までに気合の入った作品を作っておいたほうが良いと思います。学校卒業してすぐ就職するのも良いですが、やりたいことを30歳まで徹底的にやるべきだと思います。時間的にも、集中力的にも、発想力みたいなのも含めて。

今後挑戦してみたいことは?


(ゆうり)いま一点物で映像を販売する、ということを考えています。付加価値をつけるならデジタルフォトフレームで一点物にしようと。コピーされるおそれもあるので、データを取り出すことができない仕組みのものを使用します。私が想定しているのは(絵の)一部が瞬きや髪が動くだけみたいなイメージです。DVD(映像)ではなく、(動く絵)をまさか映像そのものを買うという概念はまだ無いでしょう。(絵なので)アニメーションではなくてインテリアになります。テレビを付けたりモニターを用意する必要はありません。(情報元:隔月刊ハート)