【美術解説】ジョン・ウェイン・ゲイシー「殺人ピエロ」

ジョン・ウェイン・ゲイシー / John Wayne Gacy

殺人ピエロ


概要


ジョン・ウェイン・ゲイシーは1942年3月17日生まれ。アメリカの連続殺人犯。少年を含む33名を強姦・殺害したことで知られる。強姦後に自身のホモセクシュアリティを隠すために殺害したとされている。

 

ゲイシーは、日曜絵描きであり、彼の描いたピエロの絵画はマニアには大変な人気があり、被害者の遺族によって大部分が焼却されはしたが、現在も残りの作品が展示会が開かれたり、高値で取引されている。著名人では俳優のジョニー・デップがゲイシーのコレクターとして知られている


ゲイシーは日曜絵描きのため、ナイーブ・アートとして一般的に扱われる。

画家としてのゲイシー


ゲイシーの死刑が執行されたあと、残された彼の絵画の多くはオークションにかけられることになった。ゲイシーから直接、絵の販売委託を任されていディーラーのスティーブ・コースタルは、19枚の絵を売却したという。

 

販売価格は、鳥が描かれたアクリル絵画が195ドルが最安値。最高額はディズニーの7人の小人が大リーグのシカゴ・カブスと野球を行っている絵『Dwarf's Baseball』(画像:右上)で、9500ドルだった。


この野球の絵にはテッド・ウィリアムズ、ウィリー・メイズ、ミッキー・マントル、ジョー・ディマジオなど殿堂入りした選手の直筆サインが入っている。ゲイシーが直接、選手たちに会ってサインを入れてもらったものだが、もちろん選手たちは、ゲイシーのことは何も知らずにサインを入れたという。

 

そのほかにあった絵画は犠牲者の家族に処分されるために購入された。1994年6月、イリノイ州のネーパービルで、ゲイシーの犠牲者となった9つの家族を含め300人が共同でゲイシーの絵画25点を焼却された。

 

ゲイシーの作品の個展は1980年代から開かれている。ゲイシーは、自分の絵画は「人々の生活に喜びをもたらす」ためのもので、お金を稼ぐためのものではないと主張していた。

 

2011年、ラスベガスにあるArts Factory Galleryはゲイシのセルフポートレイト作品『Goodbye Pogo』を4500ドル、ほかにペインティング、ドローイング、音声記録など73点を販売。売上金は慈善団体に寄付された。しかし国立犯罪被害者センターは、商業ギャラリーがゲイシーの名前を使って絵画販売することを停止する命令を出した。

作品


殺人ピエロシリーズ


ピエロシリーズ


鳥シリーズ


ポートレイトシリーズ


ディズニーシリーズ