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【美術解説】シェイカ・アル=マヤッサ「カタールの美術女王」

シェイカ・アル=マヤッサ / Sheikha Al-Mayassa

カタールの美術女王


概要


生年月日 1983年
国籍 カタール
活動

カタール美術館創立者、委員長

ドーハ映像研究所創設者

シェイカ・アル=マヤッサ・ビン・ハマド・ビン・ハリーファ・アル=サーニー(1983年生まれ)はカタールの首長(8代目アミール)タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニーの妹。カタール前首長ハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニーと3人の妻の2番目の妻であるモーザ・ビン・ナサーの娘。

 

アル・マヤッサは2013年の『アートレビュー』誌の『パワー100』で、アートワールドで最も影響力のある人物の1人として紹介、また『Time 100』、『フォーブス』の『世界で最も力のある女性100』でも紹介された。アル・マヤッサはカタール美術館の創立者、また責任者であり、ブルームバーグによれば彼女がカタール美術館のための美術購入に利用する年間予算は10億ドルだという。アラブのペギーグッゲンハイムといってよい。

 

アル・マヤッサは、2015年に世界で最も高額な美術作品の1つであるポール・ゴーギャンの油彩作品『いつ結婚するの』を3億ドルで購入したといわている。ほかに彼女が購入した作品としては、2012年にスザンヌの『カード遊びをする人びと』を2億5000万ドルで購入、2007年にマーク・ロスコの『ホワイト・センター』を7000万ドルで購入、ダミアン・ハーストのピル・キャビネットを2000万ドルで購入している。ほかに彼女が集めているアーティストはジェフ・クーンズ、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、フランシス・ベーコンなど。

 

 

彼女がカタールで企画した展示では村上隆、リチャード・サラ、ダミアン・ハーストの個展がある。

略歴


 シェイク・アール=マヤッサは、カイロの共学校で学んだ中産階級のカタール人の彼女の母に励まされ、フランス語、英語、アラビア語を学ぶ。2005年にアメリカ、ノールカロライナ州のダラムにあるデューク大学で、政治学と文学の博士号を取得して卒業する。デュークにいるあいだ、彼女はアラブの国際交流協会の副会長だった。

 

母国に戻ったあと、カタール博物館局(QMA)の長となり、カタールの美術行政のプロモーション活動をしている。現在はイスラム芸術博物館(MIA)でも働いている。高さ3M、幅100Mの村上隆の五百羅漢図を展示するためにアルリワク展示場を新設した。


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