【美術解説】アート・バーゼル「世界最大のアートフェア」

アート・バーゼル / Art Basel

世界最大のアートフェア


概要


「アート・バーゼル」は、スイスのバーゼル、アメリカフロリダ州マイアミビーチ、中国の香港で毎年開催される世界最大の近代美術と現代美術のアートフェア。各ブースには、著名芸術家や期待の若手芸術家たちの今の作品が展示される。また、各ブースで展示される作品に加え、開催都市に所在している美術機関と協力して共同プログラムを開催している。

 

アート・バーゼルはアーティストの成長を支える原動力となり、また視覚美術(visual arts)の発展とプロモーションを続けている。世界的に有名なアーティストの刺激的な作品を展示するだけなく、常に視覚美術の新人アーティストを発掘、意見交換、プレゼンテーションをするためのプラットフォームとなっている。

 

アートバーゼルに参加するギャラリーは、長年展示運営を務めてきた国際的なギャラリーから構成される選考委員会による審査を受ける。1週間以上の審査プロセスを経たあと、アートバーゼルによって確立された厳格な審査基準にそって、フェアへの参加を許可するか選考される。

 

2002年にアート・バーゼルは公式ディレクターであるサミュエル・キラーのリーダーシップのもとマイアミ・ビーチでも開始。また2013年の5月より香港でもアート・バーゼルが始まった。

 

公式サイト:https://www.artbasel.com

 

歴史


1970年に、トルディ・ブルックネー、バルツ・ヒルト、エルンスト・バイエラーなど、バーゼルのギャラリストたちによって設立された。最初の年には世界10カ国から90のギャラリーが参加し、1万6000人以上の来場者があった。

 

1975年には21カ国から約300のギャラリーが参加し、3万7000人を超える来場者にまで発展した。2013年にアート・バーゼルはアジア・太平洋地域のギャラリーが中心となって参加する香港フェアを開催。

 

2014年にはキックスターと提携し、世界中の非営利の視覚芸術団体への資金提供を目的としたクラウドファンディング計画に着手した。また同年、スイスの高級美術書出版社として知られるJRP-Ringerと協力して、アート・バーゼル44年の記録を収めた『Art Basel | Year 44』を刊行。

 

2015年には香港のディスカバリー部門やマイアミビーチのポジション部門から有望なアーティストに報酬を与える『BMWアートジャーナル・アワード』が、BMWとアートバーゼルによって設立された。

会場


●バーゼル(スイス)

アートバーゼルのグローバル・ディレクターのマーク・シュピグラーの管轄のもと、2015年に開催されたスイスのアート・バーゼルは6日間で9万8000人以上の来場者があった。世界33カ国から284のギャラリーが参加し、4000以上のアーティストの作品が展示。ヨーロッパ、アメリカ、アジアから来るプライベート・コレクターと並んで、世界中の80以上の美術館や美術機関の代表者やグループが来場した。

 

●マイアミビーチ(アメリカ)

アート・バーゼルのアメリカのディレクターであるノア・ホロウィッツの管轄のもと、2015年にフロリダ州マイアミビーチで開催されたアート・バーゼルでは、世界32カ国から267のギャラリーが参加。5日間で7万7000人の来場者があった。プライベートコレクターをはじめ、ディレクター、キュレーターなど200位上の美術館や美術機関の関係者が来場。カンボジア、エチオピア、ジンバブエといったアフリカ諸国からのコレクターも増えつつある。

 

●香港(中国)

アート・バーゼルの香港のディレクターであるアドラン・ヌイの管轄のもと、2015年に香港で開催されたアート・バーゼルでは、世界35カ国から239のギャラリーが参加。7万人以上の来場者があった。プライベートコレクターをはじめ、ディレクター、キュレーターなど100位上の美術関係者が来場。

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20世紀から21世紀の今日までのアジアと欧米の近現代美術の巨匠から才能のある若手芸術家の美術までを幅広く紹介。世界中から3000人以上の芸術家たちの絵画、彫刻、ドローイング、インスタレーション、写真、映像、高品質な限定作品が展示される。