【完全解説】幻想耽美「日本のアンダーグラウンド・アート」

幻想耽美-Japanese Erotica Contemporary Art

日本のアンダーグラウンド・アート


最新情報


「幻想耽美Ⅱ」


概要


アンダーグラウンドな作家達の作品集


「幻想耽美 Japanese Erotica in Contemporary Art」は、2014年9月21日にパイインターナショナルから刊行された美しくも退廃的なアンダーグラウンド・アートの世界観を描き出す50名の作品を収録したオムニバス作品集である。アート・イラストレーション・ドール・フィギュア・コミックなどさまざまなジャンルの人気作家から新進気鋭の作家まで横断的に紹介されている。


アート


山本タカト
山本タカト
金子國義
金子國義
龍口経太
龍口経太

後藤温子
後藤温子
町野好昭
町野好昭
池永康晟
池永康晟

多賀新
多賀新
林由紀子
林由紀子
桑原聖美
桑原聖美

作場知生
作場知生
こやまけんいち
こやまけんいち
森口裕二
森口裕二

トレヴァー・ブラウン
トレヴァー・ブラウン
高松和樹
高松和樹
山本じん
山本じん

成田朱希
成田朱希
林 良文
林 良文
根橋洋一
根橋洋一

イラスト


宇野亜喜良
宇野亜喜良
天野喜孝
天野喜孝
東 學
東 學

空山 基
空山 基
須川まきこ
須川まきこ
水野純子
水野純子

佳嶋
佳嶋
黒木こずゑ
黒木こずゑ
たま
たま

林アサコ
林アサコ
古川沙織
古川沙織

ドール


恋月姫
恋月姫
中嶋清八
中嶋清八
中川多理
中川多理

衣
三浦悦子
三浦悦子
森薫
森薫

清水真理
清水真理
井桁裕子
井桁裕子
ドールハウス・ノア
ドールハウス・ノア

フィギュア


上野シゲユキ
上野シゲユキ
甲 秀樹
甲 秀樹
矢沢俊吾
矢沢俊吾

山下信一
山下信一

コミック


丸尾末広
丸尾末広
花輪和一
花輪和一
吉田光彦
吉田光彦

宮西計三
宮西計三
大越孝太郎
大越孝太郎
坂本眞一
坂本眞一

古屋兎丸
古屋兎丸
沙村広明
沙村広明

客体性憧憬


成熟の拒否という日本独自の自己愛


序文は高原英理。高原としては「幻想耽美」よりも「客体性憧憬」というタイトルを提案している。

 

「客体性憧憬」とは、主体性を求めるのではなく、自己の客体性の幻視を望む傾向という意味。美的に描こうとする自己愛である。また客体性憧憬はその手法にこそローカリティはないものの、描かかれる映像的想像の展開には明らかな日本特有の自意識の歴史が反映したものである。

 

そして高原は、日本特有の美的に描こうとする自己愛である「客体性憧憬」とは「成熟の拒否」で、鑑賞者は未来的発展や成熟を放棄した少年・少女たちの運命的無力とともに訪れる死と破局の影を慈しむという。なお欧米美術における「客体性憧憬」の主題は「アンチ・ヘテロセクシャル」だという。

  • 日本の客体性憧憬=成熟の拒否(幼児性愛)
  • 欧米の客体性憧憬=異性愛の拒否(同性愛)

ちなみに山田個人の考えでは、日本や欧米以外に遊牧系・ユダヤ系の客体性憧憬「偶像崇拝の拒否」もあるのではないかなと思う。それは「抽象絵画」「コンセプチャルアート」となって現れるが、その話は長くなるのでここではやめておこう。

澁澤龍彦から顕在化する客体性憧憬


客体性憧憬(成熟の拒否)は日本において昔から潜在的にありはしたが、顕在化してきたのは1960年代に澁澤龍彦がシュルレアリスムを「異端芸術」と紹介し始めた時期であるという。この「異端芸術」という言葉は極めて不正確で、それはキャッチ・コピーのような使われ方しかしていなかったものの、当時紹介された、四谷シモン、金子國義、宇野亜喜良らは日本の客体性憧憬を表現した代表的な作家と高原は指摘する。稲垣足穂、横尾忠則、篠山紀信にもそれらの傾向が見られる。

かわいいと成熟の拒否


70年代にはいると若い女性のあいだで「かわいい」ものに客体性憧憬を見出す傾向が始まる。80年代に入るとファッション誌『Olive』が「成熟を拒否せよ、少女であることは美しい」というメッセージを明確に伝え、その理想は女性たちに受容された。

 

また音楽のジャンルで「ゴシック・ロック」、漫画では「ガロ」で丸尾末広や花輪和一に受け継がれていったが、ゴシック・ロックはそれを求める若い女性のあいだへ「ゴシック・ロリータ」として、丸尾末広や花輪和一に影響を与えた高畑華梢や伊藤彦造らはいずれも戦前の美少年美少女憧憬文化を形成した画家で、「かわいい」文化と密接な関連がある。

 

90年代に入ると「ゴス」「ゴシック」という言葉が広まり始める。この時代に四谷シモンから始まった日本の球体関節人形の独自発展が開花し始める。恋月姫、清水真理、三浦悦子などが代表的な作家であり、ここに四谷シモンや澁澤龍彦経由で客体性憧憬の遺伝子が入り込んでいる。

 

90年代後半から00年代にかけて、過剰な憧憬や過剰な装飾といった傾向は抑えられつつあるが、2010年前後からまた客体性憧憬の表出は再び発動し始め、今日に至るという。

ペーパーバック: 320ページ

出版社: パイインターナショナル (2014/9/24)

言語: 英語, 英語, 英語

ISBN-10: 4756244955

ISBN-13: 978-4756244956

発売日: 2014/9/24

商品パッケージの寸法: 15 x 2.2 x 21 cm

幻想耽美
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