【作品解説】サルバドール・ダリ「自らの純潔に獣姦される若い処女」

自らの純潔に獣姦される若い処女 / Young Virgin Autosodomized By Her Own Chastity

ダリの暴露本を出した妹に対する批判作品


「自らの純潔に獣姦される若い処女」(1954年)
「自らの純潔に獣姦される若い処女」(1954年)

概要


「自らの純潔に獣姦される若い処女」は、1954年にサルバドール・ダリによって制作された油彩作品。40.5 Cm × 30.5 Cm 。ダリ後期の代表作の1つ。描かれている女性は妹アナ・マリア。この作品は1949年にアナ・マリアが出版した『妹が見たサルバドール・ダリ』と関係が深い作品です。

 

アナ・マリアは兄が1942年に出版した自伝『我が秘められた生涯』を読み、かつてのダリ家の生活について、ダリがあまりにも自分勝手で、いいかげんな事を書いているのに心を痛め、ダリ家の真実を『妹が見たサルバドール・ダリ』で暴露しました。

 

自らを神格化していたダリは、妹の本の内容に怒り、復讐するように制作した作品がこの作品です。本作は、1925年に同じ構図で同じ妹をモデルにした作品「窓辺の少女」の発展バージョンとなっており、サイの角の尖端と女性の尻がダブル・イメージで描かれています。ダリはこの絵について「パラドックス、エロティックに描かれているが、最も純潔である」とコメントしています。

 

またダリは、自然科学や数学に対して興味を抱き始めた時期であり、サイの角状のモチーフを主題とした作品をよく描いており、本作にも描かれています。

 

なお、この絵のモデルはガラといわれてますが、実際はガラの体型とかなり異なることもあり、1930年代のアダルト雑誌の写真を元にして描いているといわれています。

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