マックス・エルンスト「森と鳩」

エルンストのエディプス・コンプレックスを表現

「森と鳩」(1927年)
「森と鳩」(1927年)

概要


「森と鳩」は、抽象的な木々で覆われた不思議な森の絵。森の中には鳩の子どもが籠のような模様とともに描かれている。


森と鳩は、エルンストの作品の中で頻繁に現れるモチーフである。ロンドンのテイト・ギャラリーによる解説によれば、森のイメージはエルンストが子供時代に過ごした家の近くの森であり、「魔法」や「恐怖」を象徴するものである。また森はドイツで「伝統」を象徴するものでもある。

 

鳩はエルンスト自身を示すもので、鳩だけでなく、さまざまな画中に現れる鳥はほぼエルンストの自画像である。森(恐怖・伝統)と鳩(自分)の関係から、エルンストのエディプス・コンプレックスが見られる。


この絵は、重ぐるしい質感と3次元的外観を表現している。画面浮かんで見えるのはエルンストとジョアン・ミロが発明したグラッタージュという技法を使っているためである。グラッタージュとは、絵具をのせたキャンヴァスを何らかの物質の上に置き、絵具をパレットナイフなどで削り取ることでキャンヴァス下の素材表面の凸部にあたる部分の絵具が掻き取られ、画面に質感が浮かび上がる。

 



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