マックス・エルンスト「セレベスの象」

非ヨーロッパ圏のモチーフを集積

概要


エルンストの初期作品。


ジョルジョ・デ・キリコの影響を強く受けている時期で、色合いや構図はキリコを参考にしている。またダダ時代のコラージュ効果を絵画を取り入れようとしている。


この絵の中心にある丸い形状の物体は、アフリカのスーダン文化の中で見られるトウモロコシ倉庫がモチーフで、エルンストはそのトウモロコシ倉庫を機械的な巨象へと変形している。ほかにトーテムポールのようなものやバッファローの角、象の鼻のようなものが描かれており、これらのはすべて非ヨーロッパ的なモチーフであり、また性的なものを象徴するものである。


背景の地平線は低めに描かれることによって、アフリカの怪物の巨大さが強調されている。また首にフリルのついたカーフや襟のようなものが身についている


右下の首のないヌードマネキンは手術袋を付けて、そのジェスチャーは怪物を呼び寄せているように見え、一方で鑑賞者に怪物を紹介しているように見える。この絵はエウロペ姫にひと目ぼれして牡牛に姿を変えているゼウスの神話的な意味合いを持っていることがある。


また、エルンストは第一次世界大戦の機械戦争に従軍して戦争の恐怖と影響が多きかったため、この巨大な機械象は戦争の恐怖を示唆しているともいう。


セレべスとはインドネシアの大スンダ列島の1つスラウェシ島の別名だが、エルンストによれば性的な意味合いを持つドイツの男子学生の韻を踏んだ言葉からとっているという。