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【作品解説】マックス・エルンスト「都市の全景」

都市の全景 /  Entire City

薄気味悪く近づいてくる月


マックス・エルンスト《都市の全景》,(1934年)
マックス・エルンスト《都市の全景》,(1934年)

概要


作者 マックス・エルンスト
制作年 1934年
メディウム 油彩、キャンバス
サイズ 50,2 cm x 61,3 cm
コレクション テート・モダン

《都市の全景》は、1934年にマックス・エルンストが制作した油彩作品。マックス・エルンストの「都市の全景」シリーズのひとつ。崩壊しつつある都市に高圧的な態度でリング状の月が忍び寄る。

 

この作品は1934年に制作されたもので、エルスントの母国ドイツの政権を奪取したナチスに対する悲観的な感情が反映されたものである。

 

作品下半分の蛇の鱗のようなものは、廃墟となった都市を木材やさまざまなテクスチャを使ったグラッタージュ技法によって表現している。

 

なお1935−36年版「都市の全景」では、リング状の月は満月となり、廃墟となった都市の前景に花が咲いている。

マックス・エルンスト《都市の全景》(1935-36年)
マックス・エルンスト《都市の全景》(1935-36年)

 

●参考文献

Tate