ダミアン・ハースト「神の愛のために」

直接的に「メメント・モリ」を訴えかける

「神の愛のために」は2007年にダミアン・ハーストによって制作された彫刻作品である。18世紀の人間の頭蓋骨をかたどったプラチナに8601個の純ダイヤモンドで敷き詰めたものである。額には「スカル・スター・ダイヤモンド」と言うピンクのダイヤモンドがはめ込まれている。頭蓋骨の歯は本物の歯であり、ロンドンでハーストが購入した。


ダイヤモンドの配置は倫理的な原則に基づいている。主題は率直に「メメント・モリ(死を想う)」であり、鑑賞者にも直接的に主題を呼び起こさせる。ダイヤモンドは「生命の存在」である。ドクロはもちろん「死」である。


2007年に美術史家のルディ·フックスは作品についてこうコメントしている。


「ドクロはわれわれの世界の外側にあり、ほとんど天国のようなもの。それは崩壊の勝利を宣言する。同時に情け容赦のない残酷な死も表す。ヴァニタスにおける死の悲哀表現と比較すると、ハーストのダイヤモンド・ドクロはの栄光そのものである。」


「死」を多くの作品の中心的なテーマとするハーストは、過去に9.11同時多発テロを「アート作品のようだ」と語り、後に謝罪したことがある。


制作費は14ミリオンポンド(約33億円)で、ロンドンのホワイトキューブギャラリーで展示され、50ミリオンポンド(約120億円)の価格が付けられた。この価格は現存のアーティストの単作品で最も高額である。