金子國義死去

アリスに扮した王女

王女に扮したアリス
王女に扮したアリス

2015年3月17日、日本最後のダンディストで耽美系画家として知られる金子國義が虚血性心不全のため、死去した。78歳だった。葬儀の日取りなどは未定。

 

金子國義といえば、つい先月、自伝「美貌帖」を刊行し、刊行記念をかねた個展を渋谷のbunkamura galleryで開いたばかり。私が最後に見た個展は、2014年の年末に渋谷シダックスで開かれた金子國義展「ダンディズム」だった。

 

私が金子作品で一番好きなのは、シュルレアリスムカラーが強い「花咲く乙女」シリーズよりも、ドローイング中心の「不思議の国のアリス」シリーズだ。瀧口修造も金子のドローイングで描かれたアリスを気に入っており、絵を書斎に飾っていた。

 

金子がアリスを描き始めたのは1971年ミラノ・ナビリオ画廊の個展で、金子國義の作品に興味を持ったオリベッティ社のジョルジオ・ソアビから『不思議の国のアリス』のイラストレーションを依頼されて以来。以後、好んで描く題材となった。

 

金子が描くアリスの表情はかなり独特で、ほかのイラストレーターが描くアリスと違い、一般的に見るとあまり可愛いとキャラと思えず、いつもふくれっ面で機嫌が悪そうである。少女というよりも、金子が普段描く成人女性が無理やり少女に扮している感じがする。上の絵は「王女に扮したアリス」というタイトルだが、私には逆に王女がアリスに扮しているように見えた。

 

少し記憶が曖昧だが、「ダンディズム」展でも「王女に扮したアリス」が飾られており、たしか副題か何かで「放蕩娘」というのを見かけた気がするが、金子が描くアリスは、放蕩や狂女的なものが隠れおり、ルイス・キャロルのような純粋無垢性を「アリス」に求めようとすると手痛い返り討ちに合ってしまう、そんな少女絵だ。

 

以下は金子國義の写真作品。