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【作品解説】パブロ・ピカソ「シカゴ・ピカソ」

シカゴ・ピカソ / Cicago Picaso

シカゴ市のランドマークとなったピカソの彫刻


概要


作者 パブロ・ピカソ
制作年 1967年
メディウム

彫刻

製造者:アメリカン・ブリッジ

高さ

15メートル

場所

シカゴ・デイリープラザ

《シカゴ・ピカソ》は、アメリカ・イリノイ州のシカゴ市に設置されているパブロ・ピカソによる無題の記念碑彫刻の通称。1967年8月15日に、シカゴ市随一の市民センターであるリチャード・J・デイリーセンターに設定された。高さは15.2メートルあり重さは147トン。キュビスム様式の彫刻は当初シカゴのダウンタウンのパブリックアートの予定だったが、シカゴ市のランドマークとなった。

 

彫刻の上部はジャングルジムのような構造になっているのが特徴。下部は滑り台のようになっており、デイリー・プラザの訪問者は、よく彫刻の下部の部分に登ってすべり落りている。

 

彫刻プロジェクトは1963年にリチャード・J・デイリーセンターから依頼で始まった。デイリープラザの設計者ウイリアム・ハートマンが、ピカソに断られるのを覚悟で公共芸術の作成を依頼したところピカソは喜んで引き受けたという。なおリチャード・J・デイリー・センターの名称は1955年から1976年までの21年間シカゴ市長を務めた、リチャード・J・デイリーに因んで命名されている。

 

ピカソは1965年に彫刻の模型を完成させ、1966年に彫刻の最終的な模型案が承認された。1967年に制作。彫刻建設費用は35万ドルとなり、3つの慈善団体により支払いが行われたが、ピカソ自身は10万ドルだけを受けとった。ピカソとしては彫刻は贈り物にしたかったという。

 

なお《シカゴ・ピカソ》の南側にはジョアン・ミロ制作の彫刻《シカゴ・ミロ》が設置されている。