250.アングラ「日本のシュールな作家たち」

アングラ / Angura

日本のシュールで怪奇な芸術家たち


丸尾末広
丸尾末広

概要


アングラとは


アングラとは、おもにシュルレアリスムや前衛的手法を用いて表現された日本の絵画、マンガ、写真、映像、彫刻など視覚芸術文化に限定した作家や作品の総称である。


アングラは、日本の主流文化や主流美術であまり見られないシュルレアリスムや前衛美術の表現手法を使うのが、ほかの美術表現との違いである。そのような作品群はもちろんまれに大衆文化にも昔からまれに存在しているが、その場合は多くは、カルト、ガロ系、不条理、シュール、難解などのあいまいな言葉の形で説明されてきている。


なお、アングラという言葉は、日本でも1960年代から70年代初頭にかけての芸術運動で使われたことがある。当時のムーブメントの中には、寺山修司や中村宏、金子國義、四谷シモン、澁澤龍彦などシュルレアリスムや前衛芸術に影響を受けた芸術家が多数している。アングラは当時のムーブメントとの同一性を指し示す言葉として利用する。

 

60年代に時代を席巻したアングラ文化は、最近ではゴシック=ロリータや白塗り赤襦袢系バンドなどにも影響をもたらしている。

作品特徴


代表的な作家および作品としては、石田徹也(ファインアート)、丸尾末広(漫画家)、山本タカト(イラストレーター)、花輪和一(漫画家)、つげ義春(漫画家)、マンガ雑誌『ガロ』などが挙げられる。


よく使われるモチーフとしては、少女、遊女、退廃、昭和以前の日本の風景、エロティシズム、グロテスク、シュルレアリスム、幻想、キッチュなどである。

 

また岡本太郎の対極主義と同じく、対立する二つの要素をそのまま共存させる表現形式がよく見られる。無機的な要素と有機的な要素、抽象・具象、静・動、反発・吸引、愛憎、美醜、等の対極が調和をとらず、引き裂かれた形で、猛烈な不協和音を発しながら一つの画面に共生する。たとえば、つげ義春の作品では「中世」と「近代」の世界が共存し、金子國義の世界では少女性と娼婦性が共存する。これがアングラの特徴であり、シュルレアリスム本表現本来の意味でもある。

岡本太郎が25歳で描いた代表作『傷ましき腕』にその発露が見える。切り裂かれた傷口から生々しく溢れ出る現実感。だがそこに顔はない。ただリボンが結ばれているだけだ。具象と抽象が矛盾のままに対置され、観る者を独特の緊張へと導く。
岡本太郎が25歳で描いた代表作『傷ましき腕』にその発露が見える。切り裂かれた傷口から生々しく溢れ出る現実感。だがそこに顔はない。ただリボンが結ばれているだけだ。具象と抽象が矛盾のままに対置され、観る者を独特の緊張へと導く。
つげ義春「ねじ式」。村落の場面に汽車や工場など近代的なモチーフが入り乱れる。
つげ義春「ねじ式」。村落の場面に汽車や工場など近代的なモチーフが入り乱れる。
果物の断面図と子宮と自画像が一体化した絵を描く近藤聡乃。ダリの偏執狂的批判的方法を現代に引き継いでいる。
果物の断面図と子宮と自画像が一体化した絵を描く近藤聡乃。ダリの偏執狂的批判的方法を現代に引き継いでいる。
モダニズムのデザインに土着的で具象的な要素を融合して独特な世界観を描く横尾忠則。
モダニズムのデザインに土着的で具象的な要素を融合して独特な世界観を描く横尾忠則。

代表的作家


絵画・イラストレーション


石田徹也
石田徹也
稲垣征次
稲垣征次
宇野亜喜良
宇野亜喜良

近藤聡乃
近藤聡乃
谷口ナツコ
谷口ナツコ
中村宏
中村宏

山本タカト
山本タカト
横尾忠則
横尾忠則
金子國義
金子國義

藤野一友
藤野一友
奈良美智
奈良美智
薄久保香
薄久保香

猫将軍
猫将軍
山田彩加
山田彩加

マンガ


つげ義春
つげ義春
花輪和一
花輪和一
丸尾末広
丸尾末広

徳南晴一郎
徳南晴一郎

映像・アニメーション


寺山修司
寺山修司

写真


荒木経惟
荒木経惟
岡上淑子
岡上淑子
細江英公
細江英公

M!DOR!
M!DOR!
植田正治
植田正治

立体・インスタレーション・総合芸術


工藤哲巳
工藤哲巳
清水真理
清水真理
四谷シモン
四谷シモン

真珠子
真珠子