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【作品解説】ルネ・マグリット「選択的親和力」

選択的親和力 / Elective Affinities

眠っている鳥の姿と卵の親和性


ルネ・マグリット《選択的親和力》1933年
ルネ・マグリット《選択的親和力》1933年

概要


作者 ルネ・マグリット
制作年 1933年
メディウム 油彩、キャンバス
サイズ 41 cm × 33 cm
コレクション 個人蔵

《選択的親和力》は1933年にルネ・マグリットによって制作された油彩作品。作品タイトルはゲーテの「選択的親和力」という言葉から引用している。

 

鳥と卵の親和性が主題となっているデペイズマン作品。

 

ある夜、マグリットは眠っている鳥が入れられたケージが置かれた部屋で目覚めた。そのときマグリットは眠っている鳥が卵に見え、鳥と卵という2つのオブジェクトの偶然の親和性と詩的さに、ショックを受けて制作を始めたという。マグリットといえばデペイズマンではあるが、今回は体内の卵と籠の中の鳥がダブって見えるという、ダリでいうところの偏執狂的批判的方法な表現性が強い作品である。