【作品解説】ルネ・マグリット「共同発明」

共同発明 / The Collective Invention

人の勝手な幻想を裏切る作品


概要


頭が魚で体が人間


「共同発明」は、1934年にルネ・マグリットによって制作された油彩作品。一度見たら忘れられない強烈なインパクトの人魚、ならぬ魚人の絵です。

 

マグリットは「人魚」という言葉に対して、世間一般が無意識におとぎ話のイメージを想像する、上半身が美女の肉体、下半身が魚という形態に対し、反対に上半身が魚、下半身が女という形態の人魚を描きました。

 

イメージと言葉を意図的に分離することによって、鑑賞者に文字や記号のでたらめさを突きつけました。マグリットは「共同幻想」という言葉を嫌っていました。共同幻想などありえない。一人一人がでたらめ勝手なイメージを抱いているだけだと。

 

代わりにマグリットは「共同発明」という言葉を使いました。マグリットは、「共同幻想」をする空想家でも思想家でもありません。発明家、思索家、哲学者なのです。現実から浮遊した不思議の世界に誘い込むだけでなく、通常の思考回路や観念から想起するイメージを裏切るのです。