【作品解説】マルセル・デュシャン「ボトルラック」

ボトルラック / Bottle Rack

無関心性と好悪の欠如を内包


マルセル・デュシャン「ボトルラック」(1914年)
マルセル・デュシャン「ボトルラック」(1914年)

概要


「ボトルラック」は1914年にマルセル・デュシャンによって制作されたレデイ・メイド作品。オリジナル版は紛失。1921年以降レプリカ版が何度か制作されています。

 

デュシャンはこの品物をパリの百貨店バザール・ド・ロテル・ド・ヴィルで購入。このボトルラックは同時の一般家庭ならどこにもでよく見られてダイニングに設置された鉄のラックです。

 

この作品には何らかのテキストやタイトルを書き加えていますが、何が書かれていたかはデュシャンは覚えていないといいます。そのため、レプリカ版以降は一切手を加えていないレディ・メイド作品です。

 

デュシャンはレディ・メイドを選ぶ基準として「美的な感動が何にも受けないような無関心、また同時に好悪の欠如」を挙げています。ボトルラックは「無関心性」や「好悪の欠如」を内包した代表的なレディ・メイド作品です。

 

なお、オリジナル版ボトルラックは、アメリカに渡った後、1916年に妹のシュザンヌと義姉にパリのアトリエを片付けて引き払うよう依頼の手紙を出し、そのときにボトルラックはゴミと一緒に捨てられたようです。