【作品解説】マルセル・デュシャン「ほどよい時期の小さい妹」

ほどよい時期の小さい妹 / Apropos of Little Sister

本読みふけるデュシャンの妹がモデル


マルセル・デュシャン「ほどよい時期の小さい妹」(1911年)
マルセル・デュシャン「ほどよい時期の小さい妹」(1911年)

概要


「ほどよい時期の小さい妹」は1911年にマルセル・デュシャンが制作した油彩作品。

 

モデルは、当時13歳の妹のマグドレーヌです。肘掛け椅子に腰をおろし、身をかがめるような姿勢で、本をよみふけっているポーズを大きなタッチで極端にデフォルメして描いています。

 

このキャンバスの裏に「女の習作-畜生め」と書いていることから、この年に結婚した上の妹のスザンヌへの複雑な心理を見ることができるという説があります。

 

美術史家のアルトゥーロ・シュワルツは、フロイト、ユングなどさまざまなが学術的権威を引き合いに出しながら、デュシャンが妹のスザンヌに対して近親相姦的な情欲をいだいていたこと、そしてこの情欲を無意識に抑えつけて、さらに昇華させていたと分析しています。

 

また、美術批評家のアリス・マーキスは、これは椅子に座って本を読んでいるのではなく、トイレに座って排便している姿ではないかとコメントしています。

 

なお、上の妹のスザンヌの結婚祝いの作品が同じ1911年の春に描いた『春の青年と少女』で、「大ガラス」の習作のような構造となっています。

 

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