【作品解説】ポール・デルヴォー「人魚の村」

人魚の村 / The Village of the Mermaids

山高帽の男と人魚たち


概要


「人魚の村」は1942年にポール・デルヴォーによって制作された油彩作品。どこか憂鬱した表情の長い黒ドレスを着た同じ表情の女性が、通りの左右に並んで座っている不思議な風景の作品である。


タイトルの「人魚」はデルヴォーの代表的なモチーフで、さまざまな作品に描かれている。作品の女性は足元まですっぽり覆う長いドレスを着ているため分からないようになっているが、タイトルから察するおそらくドレスの下は人魚の下半身だろうと思われる。


この絵は、どこか娼婦街の女性が待機しているように思える。

どの女性も胸が妙に強調されている。

しかし、女性たちは客を望んでいるようには見えない。

ただ待機している。

皆、一様な顔である。


通りの前景は影で暗いが、通りの向こう側には対照的に、強い日光で照らされた海や山が見える。



山高帽の黒服男が一人、左右に待機する黒服の女性の間を通過していく。

山高帽の男の先に見えるビーチを見てみよう。

ビーチには通りの女性たちとよく似た人魚の集団が見える。

人魚は次々と海へ飛び込もうとしている。

山高帽の男はビーチへ向かう。


デルヴォーは言う。

「自分のビジョンを見つけるには長い時間がかかった」


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