【作品解説】パブロ・ピカソ「読書」

読書 / La Lecture

原色を大胆に使った「熱愛の時代」の作品


パブロ・ピカソ「読書」(1932年)
パブロ・ピカソ「読書」(1932年)

概要


「読書」は。1932年1月にパブロ・ピカソによって制作された油彩作品。65.5cm×51cm。個人蔵。ピカソの愛人でミューズのマリー・テレーズ・ウォルターがモデルとなっている。膝の上に本を置いて椅子の上で裸姿でうたた寝しているテレーズの姿の絵。

 

この絵は、ピカソの妻オルガ・コクラヴァが、パリで開催された回顧展でこの絵を見て、顔の特徴が自分ではないことに気づき、ピカソとの関係に亀裂が入り始めるきっかけとなった作品でもある。

 

ピカソは1931年12月から1932年1月にかけて、この絵を制作。美術批評家たちはこの時代の作品を「熱愛の時代」と名づけている。黄と緑など明るい原色を大胆に使っているのが特徴で、ほかにこの系統とよく似た作品では「夢」がある。

 

「ガーディアン」紙のマーク・ブラウンは、テレーズの膝の上にある本は「セクシャル・シンボル」で、官能的なエロティシズムと幸福を表現していると批評。またこの時代は、ピカソ作品の市場的価格でも、ピカソの全生涯において最も好条件だったという。

 

「読書」は、1989年にオークションで580万ドルで売りだされた。1996年に、再びニューヨークのクリスティーズに売り出される。当初は600〜800万ドルを見積もっていたものの、480万ドルまでしか値が上がらなかったため、このときは売却に失敗。

 

2011年1月に、2011年2月8日にロンドンのサザビーズで開催される印象派と近代美術のオークションで、「読書」が再び売り出されることが告知。「読書」はコレクターの手に渡る前は、パリのピカソの展覧会で展示されて以来ヨーロッパでは一度も展示されたことがない作品だった。2月8日にサザビーズで1200〜1800万ドルで売り出されると、最終的に匿名の入札者によって2500万ポンド(4000万ドル、40億円)で売却された。

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