【コラム】ホドロフスキーと漫画

ホドロフスキーと漫画


ホドロフスキーとメビウスの漫画『アンカル』
ホドロフスキーとメビウスの漫画『アンカル』

漫画作家としてデビュー


ホドロフスキーは1966年なかばからメキシコで、マヌエル・モロが絵を担当する漫画作品『アニバル5』シリーズを始めで、漫画作家としてデビューする。

 

また、メキシコ新聞紙エル・ヘラルド・デ・メヒコで週刊連載漫画『ファビュラス・パニキャス』を開始。こちらはホドロフスキー自身が絵を描いていた。

 

ほかにもメキシコ滞在中に、漫画用のオリジナル原作を少なくとも2〜3作は書いている。『ロス・インポターバブルズ・ボーボラ』はそれらの中の1つである。

 

4作目の長編映画『Tusk』のあと、ホドロフスキーはメビウスと『アンカル』の連載を開始。このグラフィック小説は、タロットとの関わりが深い。たとえば、インカルの主人公ジョン・デフルはフールカードが元ネタとなっている。『アンカル』は、Humanoids Publishingから出版された同じスペースオペラ『ジョドバース』(または「メタバロン宇宙」)を舞台にしたSFコミックのシリーズの第一作である。

『アニバル5』
『アニバル5』
ホドロフスキー自身が描いた漫画『ファビュラス・パニキャス』
ホドロフスキー自身が描いた漫画『ファビュラス・パニキャス』
メビウスとの共作『アンカル』
メビウスとの共作『アンカル』

フィフス・エレメント問題


メビウスとホドロフスキーは、1997年に公開された『フィフス・エレメント』の監督のリュック・ベッソンを告訴、『アンカル』からストーリやグラフィックを借用していると主張。しかし、この訴訟は敗訴した。

 

『アンカル』の共同原作者であるホドロフスキーの承認を得ないまま、メビウスが『フィフス・エレメント』の制作に進んで参加し、ベッソンに雇われており、またホドロフスキーには権利の話をしていなかったので、曖昧な状態の訴訟となった。

 

10年以上過ぎて、ホドロフスキーは、盗作したリュック・ベッソンを訴えるために出版社のル・ヒューマノーズ・アソシエに圧力をかけたものの、出版社側は最終的な訴訟結果に恐れて拒否した。

漫画リスト


  • Astéroïde Hurlant (2006)
  • Mégalex, artwork by Fred Beltran, Les Humanoïdes Associés
    • L'anomalie, 1999
    • L'ange Bossu, 2002
    • Le cœur de Kavatah, 2008
  • Le Cœur couronné, artwork by MoebiusLes Humanoïdes Associés
    • La Folle du Sacré Cœur, 1992
    • Le Piège de l'irrationnel, 1993
    • Le Fou de la Sorbonne, 1998

■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Alejandro_Jodorowsky、2020年5月5日アクセス