【作品解説】バルテュス「白い部屋着の少女」

古代エジプト彫像のような高潔感


概要


「白い部屋着の少女」は、1955年にバルテュスによって制作された油彩作品。モデルは1954年にバルテュスが住むシャシーにやってきたバルテュスの姪のフレデリック・ティゾン。


1954年から1962年までの8年間、出口節子と出会うまでバルテュスのモデルをつとめ、ほかに「めざめ」や「窓辺の少女」のモデルとしても知られる。


これまでのモデルの描き方とくらべて、垂直・水平の軸を強調した造形性と不動性を、画面左から入ってくる強い光とその影のコントラストが、少女の高潔感と緊張感を表現している。はだけた胸の下のところで結ばれた白い部屋着は、台座に見え、そしてティゾンの長い褐色の髪から古代エジプトの彫像を想起させる。


フランスの詩人イヴ・ボンヌフォワは、「石のように明白な、高潔で純粋な現前であって、そのまなざしはもはや問いかけることもなく、そこでは子どもらしさと成熟とが、エジプトの休息のように和解している。」と記している。