【作品解説】サルバドール・ダリ「陰鬱な遊戯」

陰鬱な遊戯 / Lugubrious Game

シュルレアリストたちに衝撃与えた初期作品


概要


「陰鬱な遊戯」は、1929年にサルバドール・ダリによって制作された油彩作品。初期作品でこの年にダリはガラに出会っている。「記憶の固執」以前に、ダリがシュルレアリストたちに影響を与えた初期作品の1つ。


この作品の主題は自慰行為と性的恐怖である。


左の人の像の大きな右手は自慰行為を象徴している。中央には大自慰者としてのダリの顔が描かれている。その上部では女性の右上が指のかたちになり、尻の間の肛門をねらっている。女性の頭の上には口とヴァギナのダブル・イメージがある。


右下の男性はズボンが茶色に汚れている。汚れた下着は異性恐怖の反動として同性愛への関心へ示す肛門性愛を象徴している。


ダリの奥底に潜んでいる女性への関心と同時に性的不能の不安と恐怖、反動としての同性愛への関心が表されており、シュルレアリストたちに衝撃を与えた。


この作品を描き上げたあとの1929年の夏、詩人のポール・エリュアールとガラを含むシュルレアリストの一行がカダケスのダリのアトリエに訪れる。ガラはダリが糞食症でないかとの抱き、ガラは一行を代表してダリに「これが、あなたの実生活を表しているとしたら、私たちはとうてい共通点を見いだせないことになる」と問いただしたが、ダリは糞食症であることを否定した。そしてポール・エリュアールはこの絵に「陰鬱な遊戯」というタイトルを提案し、ダリはそれを受け入れた。


ダリはその後ガラとの出会いにより、その強い不安と恐怖から解放されたのである。