【作品解説】サルバドール・ダリ「欲望の謎-わが母、わが母、わが母」

欲望の謎 わが母、わが母、わが母

The Enigma of Desire: My Mother, My Mother, My Mothe

母親の欠落とエディプス・コンプレックス


概要


「欲望の謎-わが母、わが母、わが母」は、1929年にサルバドール・ダリによって制作された油彩作品。「大自慰者」のプロトタイプ的な作品。1929年に開かれたダリの初個展で展示、売買された。タイトルは、1917年のトリスタン・ツァラの詩「から引用されている。


中央の黄色の穴ぼこの塊はダリの故郷フェゲラスの岩である。岩の中の穴ぼこには「ma mere(わが母)」という文字がたくさん書かれているが、この絵が描かれたとき、ダリの母親はすでになくなっていた。ダリにとって母は特別な存在であり、母親の欠落はダリに大きなコンプレックスを与えた。穴ぼこは母親の欠落を表しており、この岩はどこか子宮のような形にも見える。


ダリは母の死後、妹のアナ・マリアを母親代わりに、ガラと出会ってからはガラを母親代わりにしていた。


なお岩の右上にはライオンがいる。その反対側にはダリの横顔があり、その間に「ma mere(わが母)」という文字がたくさん書かれている。さらに、画面左側のにはライオンの頭と錯乱状態の女性の間で抱き合う二人の人物がいる。そして岩の奥には小さく女性の裸体が見える。


おそらくライオンはエディプス的なものであり、ダリにとって母親の欠落は、エディプスコンプレックスとも結びついていたと言われている。

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