視覚文化における6つのトレンド

視覚文化における6つのトレンド

ゲッティイメージズによる視覚文化調査報告



未来は何が見えるか?

過去の賢者は動物の内臓やお茶の葉を使ってこのような問題を推測した。

 

商業用の写真の膨大なアーカイブを提供するサービス「ゲッティイメージズ」は、自社のアーカイブをもとにして現在のユーザーの画像への関心を調査。年一回開催される「クリエイティブ・イン・フォーカス・レポート」でその調査の報告が行われた。

 

「ゲッティイメージズ」のビジュアル・トレンド・ディレクターであるパメラ・グロッサムは、商業イメージにおける今後の6つのトレンドを予測した。ただし、このトレンドはファイン・アートではなく“商業イメージ”を念頭に置いて発表されている点に注意しておきたい。

 

 

1:アウトサイダー・イン / Outsider In


私たちは毎日大量に複製された画像や統計的な記事を浴びるようになり、独特な表現者や傑出したビジュアルへの欲求は日増しに増加している。

 

そこでは、慣れ親しんだ視界に不意に異様なものが混入するイメージが注目を集めるようになる。ショッキングだったり、不気味だったり、尋常でないイメージがユーザーに歓迎されるようになるだろう。

 

そう、私たちは「ストレンジ・ニューエイジ」という時代に入りつつあるのだ。

 

アウトサイダー・インのキーワードは

・「心構え(attitude)」

・「個性(individuality)」

・「創造性(creativity)」

・「rebellious(反抗心)」

・「bold choices(大胆な選択)」

・「irreverent(不敬な)」

・「maverick(異端者)」

・「stand out in a crowd(目立つ)」

・「acitivist(活動家)」

2:神聖な生活 / Divine Living


「神聖な生活」は“意義のある消費”に焦点が置かれている。

 

目的をもって注意深く、自分だけの商品を選択する価値観。マスコミの煽りに流されない経験を得る喜び、商人の購入にいたる態度だ。このトレンドでは「反省」と「熟考」がキーとなる。

 

消費者は今後ますます、はっきりとした自分のビジョンと価値観をもってブランドの価値を照らし合わせるようになる。つまり、消費者はこれから目が肥えてくるということである。ゲッティイメージが提示するイメージ群を見ると、ヒッピーカルチャーや神秘主義のようなイメージである。

 

キーワードは

・「integrity(高潔さ)」

・「mindfulness(マインドフルネス)」

・「good deed(善行)」

・「mystical(神秘主義的)」

・「ethereal(永遠性)」

・「spiritual(スピリチュアル)」

・「selfless(無欲さ)」などである。

3:拡張された人間 / Extended Human


テクノロジーは私たちの生活を変化させ、経験を共有させ、アートを創造し、周囲を体験する。また私たちの身体を最適なものへと作り変え、記憶容量を拡大し、お互いに接続させていくことで、人間とは何なのかという考えに挑戦する。

 

要するにテクノロジーのイメージである。

 

キーワードは

・「wearable technology(ウェアラブル機器)」

・「emoji(絵文字)」

・「smart watch(スマートウォッチ)」

・「self-driving car(自動運転カー)」

・「smart house(スマートハウス)」

・「fitness tracker(フィットネス・トラッカー)」

・「drone(ドローン)」

・「robot hand(ロボット・ハンド)」

・「robot(ロボット)」

・「robotic arm(ロボティック・アーム)」

4:スカム / scum


4番目は原題は”Messthetics”という言葉で、散らかった状態というもの。シンプルさや清潔さとは真逆に、ユーザーは汚物、退廃、散乱、下品、乱雑、直感的、感情的なイメージを好むようになる。これはアートでいえばアブジェクト・アート(絶望的な芸術)に近い要素のものだといわれる。

 

日本では、悪趣味やスカムと呼ばれる要素ではないだろうか。Wikipediaによれば、スラング的にゴミのような作品、またはカルチャーも言い、またスカム・カルチャーやスカム・ミュージックという言葉も出てきた。

 

キーワードは

・「grit texture」

・「messy floor(散乱した部屋)」

・「distressed texture(惨めな肌合い)」

・「atter party mess(パーティ後の散乱)」

・「messy table(散乱したテーブル)」

・「dirty window(汚れた窓)」

・「party mess(パーティの散乱)」

・「dirt texture(汚物の肌合い)」

・「messy food(食べ散らかし)」

・「dirty car(汚い車)」

・「messy home(ゴミ屋敷)」

・「messy living room(散らかったリビング)」

「sleaze(みすぼらしさ)」

5:サイレンス・ノイズ


5番目の原題は“Silence vs. Noise"。2番目の「神聖な生活」とよく似たイメージだが、本来の意味でのミニマリズムは産業デザインにおける簡素さと具象的な風景を融合させたようなもの。3番目のテクノロジーとも関係が深い。ファイン・アートでいえば高松和樹小西真奈などがここに当たるのではないだろうか。

 

キーワードは

・「simplicity(簡潔)」

・「complex to simple(シンプルな複雑さ:迷路のようなデザイン)」

・「simple background(シンプルな背景)」

・「simplity(簡潔)」

・「copy space(広告テンプレートなどで文字を載せるスペース)」

・「minimalism(ミニマリズム)

6:シュルレアリティ


“シュルレアリティ”は、文化を消費したり情報を共有する際の新しいビジュアル・メイキング手段となるだろう。

 

シュルレアリティのルーツとなるシュルレアリスムは、元々、無意識を翻訳するための表現手段で、矛盾した要素を同時表現するものだった。

 

このビジュアル表現は、今後おもにデジタル生活とアナログ生活の二重性生活「バーチャル・リアリティ」などに発展していくだろう。また、オンライン現象やGIFのような解像度の低いネット独自の画像文化をブランドなど視覚文化の最前線の人びとがデザインとして取り入れる傾向が起こっている。

 

この表現はファイン・アートにおいては「ポスト・インターネット」と呼ばれるジャンルのものが適当である。自分のサイトでは、劇団イヌカレージェフリー・リラマンスィリアツク・ハリスなどが代表的なアーティストだと思われる。

 

キーワードは

・「virtual reality(バーチャル・リアリティ)」

・「surreal landscape(シュルレアル風景)」

・「dreamy(ドリーミー)」

・「surreal(シュルレアル)」

・「bizarre(奇怪な)」