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【作品解説】パブロ・ピカソ「マンドリンを弾く少女」

マンドリンを弾く少女 / Girl with Mandolin

ピカソの初期分析的キュビスムの代表作


概要


作者 パブロ・ピカソ
制作年 1909-1910年
メディウム 油彩、キャンバス
サイズ 100 cm ×73.6 cm
コレクション ニューヨーク近代美術館

《マンドリンを弾く少女》は1909年から1910年にかけてパブロ・ピカソによって制作された油彩作品。100 cm×73.6 cm。ニューヨーク近代美術館が所蔵している。

 

ピカソの初期分析的キュビズムの代表的な作品。モデルはピカソの当時の妻フェルナンド・オリヴィエ。1910年、当時のピカソとオリヴィエはカダケスで夏の休暇をとっており、そのころに描かれた作品が本作である。なお、これはマンドリンを持ったヌード絵画であるといわれている。

 

ピカソは立方体、正方形、長方形などさまざまな幾何学形を使って、対象であるオリヴィエの輪郭を分解している。一定の方向から対象を描くのではなく、可能な限り複数の方向からオリヴィエの裸体を描こうとしていた。

 

本作ではほぼライトブラウン単色のカラーパレットを使用しているが、これは統一された表面を形成するためである。また、少女の背景色も同じく、幾何学形を使ったライトブラウン単色で描かれており、ぱっと見る限り背景と人間の境界線が分からないようになっている。