【作品解説】ポール・ゴーギャン「死者の霊が見ている」

「死者の霊が見ている」は、1892年にポール・ゴーギャンによって制作された油彩作品。うつ伏せに寝ているタヒチの少女のヌードを描いている。老婆が彼女の後ろに座っているのが見える。ゴーギャンは少女が幽霊(ツパパウ)を想像しているか、もしくは幽霊(ツパパウ)が少女を憑依しているかどちらかの意味でこのタイトルを付けたかもしれない。

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【作品解説】ポール・ゴーギャン「ヌードの習作」

「ヌードの習作」は、1880年にポール・ゴーギャンによって制作された油彩作品。裸の女性が衣服を縫っている姿を描いている。現在、コペンハーゲンにあるニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館が所蔵している。 マネやクールベの静物画や構図の影響が色濃く見られる作品。裸の女性は、マンドリンやタペストリーが飾られているマゼンダの壁を背後にし、ベッドメイキングが整っていないベッドに座り、縫い物に夢中になっている。光は女性の背後から差し込み背中を照らしているが、顔や胸のあたりは影になっている。

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【作品解説】ポール・セザンヌ「カード遊びをする人々」

「カード遊びをする人々」は、1894年から1895年にかけてポール・セザンヌによって制作された油彩作品。「最後の時代」と呼ばれる1890年代初頭のスザンヌ晩年のシリーズ内の作品。 「カード遊びをする人々」は5点存在しており、各作品ごとにサイズ、人物の数、ゲーム設定が異なっている。またセザンヌは「カード遊びをする人々」のための習作やドローイング作品を膨大に作っている。 2011年にカタール王室が、「カード遊びをする人々」の1点(最後の作品)を2億5000万ドルから3億ドルで購入。別の4点はそれぞれニューヨークのメトロポリタン美術館、パリのオルセー美術館、ロンドンのコートールド・ギャラリー、フィラデルフィアのバーンズ・コレクションが所蔵している。

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【作品解説】ジェームズ・モンゴメリー・フラッグ「米軍募集ポスター」

「米軍募集ポスター」は、1917年にアメリカの画家でイラストレーターのジェームズ・モンゴメリー・フラッグによって制作されたポスター作品。第一次世界大戦時にアメリカ陸軍への応募を促すために描かれた。「アメリカ陸軍に君が必要だ」(I Want YOU for U.S. Army)とキャプシャンがうたれている。...

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【作品解説】エドヴァルド・ムンク「灰」

「灰」は、1894年にエドヴァルド・ムンクによって制作された油彩作品。ムンクは1885年から数年間、人妻ミリー・タウロウとの禁じられた恋愛に陥り、苦しい思いをしていた時期があった。この絵画に描かれている女性はミリー・タウロウに非常によく似ているので、おそらくそのときに苦しみを描いたものだろう。彼女の背景には鬱蒼とした木々が描かれているが、ムンクと彼女は2人はそこで会っていたといわれる。

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【作品解説】エドヴァルド・ムンク「憂鬱」

「憂鬱」は、1891年にエドヴァルド・ムンクによって制作された油彩作品。1891年から1893年にかけてさまざまなバージョンの「憂鬱」シリーズを描いているが、どれも海岸線を背景にして頭に手を置いた憂鬱そうな男が描かれている。 モデルはムンクの友人でクルチャニア・ボヘミアンのメンバーだったジャッペ・ニルセンである。1891年、ニルセンは、クリスチャン・クローグの妻で、ニルソンより10歳上のオーダ・クローグと不倫関係になったといわれる。ムンクは、この不倫関係を自身の過去における不倫関係を反映する形で描いている。憂鬱は波打つ海岸線と左へ伸びていく揺らいだ曇り空などで表現されている。 「憂鬱」は1891年にオスロの「オータム・エキシビジョン」で展示された。美術家で記者のクリスチャン・クローングによればノルウェー人画家による最初の象徴主義作品だという。

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【作品解説】エドヴァルド・ムンク「橋の上の少女たち」

「橋の上の少女たち」は、1901年にエドヴァルド・ムンクによって制作された油彩作品。「橋の上の少女たち」のシリーズは、19世紀の終わりから晩年にいたるまで、数多くの異なる絵画や版画バージョンが制作されており、ムンクが生涯関心を持っていた主題の1つである。「叫び」と並んでムンク作品の中でも非常に人気が高いシリーズとみなされている。 詩的なタイトルではあるものの、オースゴールストランの実際の風景をそのままタイトルに付けたものである。この場所は、夏のバカンスにムンクが利用していたオースゴールストランのフィヨルドの風景とそこにあった橋である。おそらく「叫び」の逆方向の風景で、ムンクは港の方向に背を向けて描いている。

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【完全解説】ギヨーム・アポリネール「20世紀初頭の前衛芸術の方向性を決めた詩人」

ギヨーム・アポリネール(1880年8月26日-1918年11月9日)はフランスの詩人、劇作家、短編作家、小説家、美術批評家。 アポリネールは20性初頭の最も重要な詩人の一人であり、また20世紀初頭の最も重要な前衛美術の批評家とみなされている。彼は熱心なキュビスムやシュルレアリスムの擁護者だった。 美術用語をたくさん作ったことでも知られる。1911年に"キュビズム”という言葉を作り、キュビズム運動を先導する。1917年には作曲家のエリック・サティの作品を描写する言葉として"シュルレアリスム"という言葉を作った。ほかに1912年にオルフィスムという言葉も作っている。

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【芸術運動】象徴主義「ゴシック的要素のあるロマン主義や印象主義」

象徴主義は、フランス、ロシア、ベルギーを起源とする19世紀後半の芸術運動。文学では1857年に刊行されたシャルル・ボードレールの「悪の華」が象徴主義の起源とされている。 また、ボードレールは絶賛してフランス語に翻訳したエドガー・アラン・ポーの作品は、多大な影響を与え、のちの文学や芸術の多くで比喩やイメージの源泉となった。象徴主義は、1860年代から1870年代にかけて、ステファヌ・マラルメやポール・ヴァレリーらによって発展、1880年代に象徴主義の美学は一連の檄文によって連結化され、同世代の著述家を魅了した。「象徴主義」という名称自体は、批評家のジャン・モレアスが、デカダン文学や芸術との関わりから象徴主義の作家を区別するために作った言葉であるとされている。

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藤田嗣治「20世紀初頭の最も重要な日本人画家」

レオナール・ツグハル・フジタ(藤田嗣治 1886年11月27日-1968年1月29日)は、日系フランス画家。日本画の技術と西洋絵画を融合させ、エコール・ド・パリのメンバーとして活躍し「20世紀初頭の西洋において最も重要な日本人芸術家」として評価されている。1930年にニューヨークで出版した20枚のエッチング版画を収録した『猫の本』は、過去に出版された猫に関する本で最も人気があり、現在は希少本とされている。

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