【漫画】真珠子「聖少女ちおちゃん」

聖少女ちおちゃん

真珠子初短編漫画集


『聖少女ちおちゃん』は、2004年に真珠子によって制作された短編作品を集めた漫画作品集。「パパだいちゅき!」「愛情のおけいこ」「女猫なんちて」「ちおちゃん先生」「愛人集会」の5編から構成されている。

 

マンガを描き始めたきっかけは、桃吐マキルからの希望。それまで真珠子は、小学校のときにノートに少し描いたぐらいのものであり、特に日常的にマンガに関心があったわけではなかったという。

 

制作当時は、新婚の頃ということもあって、内容は現在に比べると、かなりエロティックなものとなっている。収録作品の中でも代表作は「パパだいちゅき!」で、この話は真珠子によれば「保護者(父親)を得たという感覚が強い」作品だという。

 

「ずっと長女で甘えられなかったんです。小さいときから、背が高くて今と同じだし、大人みたいな扱いを受けてて。見た目が他の人よりお姉さんみたいな感じに見られてたから、頼られることが多くて、でも心は成長していなくて・・・ 友だちに相談されてもあまりコミュニケーションがうまくいかなかった。頼れそうに見えるのに、全然相談にのってくれないみたいな・・・ だって、私、そんな大人じゃないもん。だから甘えたかったというのがここで爆発しましたね。このとき28歳ぐらいで30手前ぐらいで。」

 

作品で描かれる軍服を着た男性のモデルは、もちろん夫の増田賢一である。また、着物キャラの「ふうちゃん」は、大正時代の抒情画家の加藤まさおのオマージュ。なお、加藤まさおのオマージュは、人形作家の清水真理に指摘されたという。

 

また、収録作品の1つ『ちおちゃん先生』は、ごく最近の伝記『女教師真珠子』の前章に当たる部分。ともに創作源泉となっているのは、真珠子が実際に天草で教師をしていた時代の事。

 

『聖少女ちおちゃん』は、現在タコシェで販売されている。