【美術解説】ミチャエナ・ワウティア「幻の17世紀の女性画家」

ミチャエナ・ワウティア / Michelina Wautier

幻の17世紀の女性画家


セルフポートレイト
セルフポートレイト

概要


 

約400年の間、無名のままだった17世紀の女性画家ミチャエナ・ワウティアの初個展が2018年にアントワープのルーベンス・ハウスで開催される予定だ。

 

ミチャエナ・ワウティア(1617~1689)は南ネーデルランドの画家。彼女の生涯はほとんど分からないが、ブリュッセルで制作活動をしており、スペイン領ネーデルラント総督だったレオポルト・ヴィルヘルム・フォン・エスターライヒに4作品を販売している。1659年に作成されたレオポルトのコレクションカタログに彼女の名前が記載されている。

 

 

彼女が1649年に描いたセルフポートレイトは、長い間、17世紀イタリアのカラヴァッジオ派で活躍した女性画家アルテミジア・ジェンティレスキのポートレイト作品と間違われていた。この絵は1905年に刊行された『世界の女性画家』で紹介されており、このときに表記が誤っていた。

当時、同時代のほとんどの女性画家が、花や自然の構造の描写をしていたが、彼女は1人肖像画、歴史画、生物画、日常風景を描いていた。

 

2016年3月にスイスで開催されたコラー・オークションで彼女の1654年の作品『イエズス会宣教師マルティノ・マルティニの肖像』が400万スイスフラン(39万9800ドル)で売却された。

 

今回の個展はルーヴェン・カトリック大学のKatlijne Van der Stighelenがキュレーションを担当、またカタログ・レゾネを作成する。(情報元:artnet

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