【作品解説】パブロ・ピカソ「夢」

夢 / Le Rêve

アメリカ最高額 1億5千万ドルのシュルレアリスム作品


概要


作者 パブロ・ピカソ
制作年 1932年
メディウム カンヴァスに油彩
サイズ 130 cm ×97 cm
コレクション 個人蔵

《夢》は1932年にパブロ・ピカソによって制作された油彩作品。130 cm×97 cm。当時のピカソは50歳。描かれている女性は22歳の愛人マリー・テレーズ・ウォルター。1932年1月24日の午後のひとときを描いたものである。シュルレアリスムと初期のフォーヴィスムが融合した作風といえる。

 

コントラストのある色彩と単純化した線を使って歪んだ描写が特徴であるが、批評家たちが繰り返し指摘しているように、ピカソの性器(テレーズの肩の部分)とテレーズの身体が融合した状態をダブルイメージで描いている。

 

また、顔が半分に割れている顔が上に向いているが、おそらく下が横向きのマリー・テレーズで上側が横向きのピカソで、キスした状態を表現している。

 

《夢》は1941年にニューヨークのコレクターであるヴィクター&サリー・ガンツ夫妻が7000ドルで購入。ガンツ夫妻が死去した後(ヴィクターは1987年、サリーは1997年に死去)、《夢》を含むガンツ夫妻のコレクションは、相続税法を解決するために1997年11月11日にクリスティーズで競売にかけられる。その際に《夢》は約4800万ドルで落札された。当時は市場で流通している作品で4番目に高額な作品だった。

 

落札したのはオーストリア生まれNY在住のヘッジファンド・マネージャーのウォルフガング・フロットル。彼はピカソの作品のほかにもヴィンセント・ヴァン・ゴッホの《医師ガシェの肖像》を所有している。2001年に経済事情によって《夢》は約6000万ドルでカジノ経営者のスティーブ・ウィンに売却された。

 

2006年に1億3900万ドルでSACキャピタル・アドバイザーズのスティーブ・A・コーエンに売却されることになっていたが、スティーブ・ウィンが絵にひじを突いて穴を開けてしまい、売却はキャンセル。テレーズの腕の部分に7.6センチの裂け目が2つ付き、この修復には数年かかったが、コーエンはその間もこの絵に関心を持ち続け、2013年に1億5000万ドルで手に入れた。この価格は米国コレクターが支払った価格で最高額だと言われている。

 

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