【作品解説】サルバドール・ダリ「部分的幻覚-ピアノの上に出現したレーニンの6つの幻影」

部分的幻覚-ピアノの上に出現したレーニンの6つの幻影

レーニンの幻覚を見た!


「部分的幻覚-ピアノの上に出現したレーニンの6つの幻影」(1931年)
「部分的幻覚-ピアノの上に出現したレーニンの6つの幻影」(1931年)

概要


「部分的幻覚-ピアノの上に出現したレーニンの6つの幻影」は1931年にサルバドール・ダリによって制作された油彩作品。


1930年代は左右両派の対立は激しい時期で、シュルレアリスム運動も共産党と密接した動きを展開していた。シュルレアリストの多くがマルクス主義に傾倒していくなかで、レーニンは特別な存在となっていた。当時のダリにとってもレーニンは特別な存在であり、熱狂的崇拝対象だった。


ダリはサクランボを食べ過ぎて幻覚を見た。そのときの光景がこれであるという。グランドピアノを弾いているとふと現れたレーニンの肖像は、何らかのダリの無意識の現れたものである。


ピアノの上に置かれている楽譜にはダリにとって死を象徴するアリが群れている。また椅子の上には食べ過ぎた赤く透明なサクランボが置かれており、またサクランボは女性の象徴である。


薄暗い部屋の奥には扉が開いており、カダケスの岩場のような風景が見えている。