【作品解説】フィンセント・ファン・ゴッホ「高級売春婦」

高級売春婦 / The Courtesan

日本の浮世絵に影響を受けた娼婦作品


概要


「高級売春婦」は、1887年にフィンセント・ファン・ゴッホが制作した油彩作。100.7cmx60.7cm。アムステルダムのヴァン・ゴッホ美術館がしている所蔵。タイトルは後に「英泉」に変更されている。

 

ゴッホはアントワープに住んでいた1885年に日本の浮世絵に多大な影響を受ける。その後、1886年にパリに移り住むとゴッホは、プロヴァンス通りにあるサミュエル・ビングの店で多くの日本版画を買い集めるようになる。ゴッホが収集した浮世絵の数は数百点にのぼり、葛飾北斎や安藤広重の作品などを集めていたという。

 

本作「売春婦」は、1886年5月に刊行された『パリ・イリュストレ』日本特集号の表紙を飾った渓斎英泉の「雲龍打掛の花魁」の左右反転作品を、グリッドを使って拡大模写したものである。背景は、ほかの浮世絵の風景に基づいて描いた緑豊かな水庭と、それと対照的な明るい金色の背景が描かれている。

 

日本画に影響を受けた強い輪郭線と明るい色味の取り合わせゴッホ成熟期のスタイルで、またゴッホ独自の後期印象派のスタイルでもある。

 

この庭にはカエルとツルが描かれている、カエルとツルは当時19世紀のフランスで「売春婦」の隠語であり、ゴッホは売春婦とカエルとツルをかけている。